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ローカル・クライシス【No.8】~ニセコに新たな観光産業を創った男~

皆さま、こんにちは。

ユウジです。

 

今回は第8回目となります。

 

前回のを読んでいない方はこちらから。

 

ローカル・クライシス【No.7】~地域活性化ビジネスの定義~ - sunflower

 

今回は実際に「地域活性化ビジネス」の事例を見ていきたいと思います。

 

ニセコアドベンチャーセンターとは

今回は、北海道にある「株式会社ニセコアドベンチャーセンター[1]」を紹介したいと思います。

ニセコアドベンチャーセンターとは北海道ニセコ地域を中心にアウトドアスポーツ事業を行っている企業です。

「ラフティング」という自ら漕いで川を下るアウトドアスポーツ事業が目玉事業です。

他にもスキー教室を行ったり、カヤックを行ったりなどニセコ地域の大自然をフルに活用し、事業を行っています。

 

ニセコを救った男

北海道のニセコ地域はもともと世界でも屈指のパウダースノーと呼ばれる雪質のスキー場があり、ウィンタースポーツシーズンになると国内外からたくさんの観光客が訪れていました。

しかし、ウィンタースポーツシーズンが終わると観光客は激減し冬場は賑わっていた町も閑散としてしまっていました。

このことに問題意識を感じ、行動を起こしたのがオーストラリア人のロス・フィンドレー氏。

フィンドレー氏は毎年ウィンタースポーツシーズンになるとニセコを訪れ、スキーを楽しんでいました。

あるときフィンドレー氏が夏場にニセコ町を訪れてみたら冬の時期との町の賑わいの違いに愕然としたそうです。

これを何とかしようと考えて思いついたのが「ラフティング」でした。

フィンドレー氏はニセコの大自然に目を付けました。

ニセコには自然という豊富な観光資源があります。

ラフティング事業は大盛況し、冬場だけでなく夏場にも観光客が訪れるようになり、ニセコを通年観光地にしました。

ここで下にあるグラフを見ていただきたいと思います。

これはニセコ町の観光客入込数の推移を表したグラフです。

ニセコアドベンチャーセンターが創業されたのは、平成8年。

このグラフを見ると平成10年ごろから夏場の観光客数も増加し始めています。

これはさまざまな要因考えられますが、ニセコアドベンチャーセンターによるラフティング事業の成果も大きく貢献していると言ってよいと思います。

平成11年には冬場の観光客数を夏場の観光客数が超えました。

それ以降はずっと夏場の観光客が多くなっています。

平成24年からは冬場の観光客数も増加し始め、冬場と夏場、同じぐらいの観光客数となっています。

このようにニセコアドベンチャーセンターがニセコ町に及ぼした影響は大きことがわかります。

 

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出典:ニセコ町「平成25年度観光入込客数調査」(http://www.town.niseko.lg.jp/machitsukuri/H25%E4%B8%8B%E6%9C%9F%E5%85%A5%E8%BE%BC%EF%BC%8F%E9%9B%86%E8%A8%88%E4%BD%9C%E6%A5%AD%E3%83%87%E3%83%BC%E3%82%BF.pdf

 

 

 

ニセコアドベンチャーセンターの成功要因とは 

ニセコアドベンチャーセンターの成功要因について考えていきたいと思います。

成功要因の1つ目は、「よそ者」ならではの視点から「自然」に目をつけて事業を行った点でしょう。

ニセコの自然は地元住民にとっては当たり前の存在です。

それであるがゆえに、自然を活かして事業を行うということを思いつくのは簡単なことではありません。

それができたのはオーストラリアからIターンしてきたフィンドレー氏ならではの発想ではないでしょうか。

また、「ラフティング」というスポーツ自体も日本ではあまり知られていませんが、オーストラリアでは観光産業の一つとして認知されていました。

このラフティングを知っていたという点もオーストラリアからIターンしてきた強みの1つです。

2つ目はフィンドレー氏のリーダーシップであると思います。

ラフティングは激流の川を下るスポーツであるため、ボートから転落する恐れのある危険性を持ったスポーツです。

そのため、十分な知識、経験や安全管理能力などが必要になってきます。

しかしながら、ラフティングに対する行政機関の整備が皆無であったため誰でも営利目的でラフティング事業を始めることができるような状態でした。

そのことに危機感を抱いたフィンドレー氏と同業者13社が集まり、独自の安全面での自主規制や同業者同士での情報交換や研修会などを実施し、安全管理体制を築くために1997年に「日本リバーガイド協会(現在では日本ラフティング協会)[2]」を設立しました[3]

また、フィンドレー氏は自治体などに働きかけ、全国初となる「アウトドア活動振興条例」が2001年に制定されたり、2002年には「北海道アウトドア資格制度」が制定されたりしました。

これにより、さらに北海道の広大な自然を生かしたアウトドア事業が活発になり、北海道の地域活性化に貢献しています。

 

[1]株式会社ニセコアドベンチャーセンター公式ホームページ(http://www.nac-web.com/

[2] 日本ラフティング協会ホームページ(http://river-guide.org/

[3] 山口一美「観光振興による地域活性化」、文教大学国際学部紀要、第19巻1号、2008年(http://www.bunkyo.ac.jp/faculty/lib/slib/kiyo/Int/it1901/it190107.pdf

 

以上、ニセコアドベンチャーセンターが北海道のニセコ地域で行っている地域活性化ビジネスをご紹介しました。

次回ももう一つ事例をご紹介したいと思います。

 

では!!