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ローカル・クライシス【No.9】~住民からの信頼を活かした地域活性化ビジネス~

みなさま、こんにちは。

ユウジです。

 

今回は第9回目で、住民からの信頼を活かした地域活性化ビジネスの事例をご紹介したいと思います。

 

前回までのをまだ読んでいない方はこちらから。

 

ローカル・クライシス【No.8】~ニセコに新たな観光産業を創った男~ - sunflower

 

住民からの信頼を活かした地域活性化ビジネス

今回取り上げるのは宮城県大崎市にある「株式会社一ノ蔵[1]」です。

一ノ蔵清酒の製造販売を行っている企業です。

株式会社一ノ蔵について「地方企業の地域社会における役割に関する一考察」(木原高治、2010年)にて詳しく書いてあるので、以下参考にしていきます。

1973年に淺見商店、櫻井酒造店、勝来酒造、松本酒造店の4社が、改正中小企業近代化促進法に基づき企業合同に取り組み、宮城銘醸株式会社として設立され、同年内に現社名である「株式会社一ノ蔵」になりました。

一ノ蔵では「農業が元気になれば地域が元気になる」という理念のもと「一ノ蔵型六次産業」を掲げ、事業を行っています。

1994年に社内に農業問題研究会を設置し、6次産業の1次産業の分野である「生産」について研究し始めた。

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酒造米の生産についての研究の結果、理想の酒造米を生産できる体制を創り上げました。

2004年に一ノ蔵農社部門を設立し、2005年には宮城県の旧松山町の耕作放棄地を借地契約(8,900枚ある田圃の内600枚程度を借地)し、本格的な酒造米栽培を開始したそうです。

一ノ蔵農社は、一ノ蔵の一部門として設立され、責任者1名を含む従業員4名。

酒造米はこれまでのJAとの関係を大切にするためにすべて一度JAに販売し、JAから一ノ蔵が購入しています。

 

一ノ蔵の農業ビジネスは地域に多大な影響を与えています。

耕作放棄地への対応、農産加工品の製造委託、農作物販売等において行政やJAとの厚い信頼関係を構築することができています。

 

一ノ蔵の成功要因

ここからは株式会社一ノ蔵の成功要因についてみていきます。

まず、第1の成功要因としてあげたいのが、地元の人たちとの信頼関係です。

長年、地元で事業を行ってきたからこその地元の住民や行政からの信頼を得ています。

この信頼関係がなければ「一ノ蔵型6次産業」は成立しなかったでしょう。

一般的に耕作放棄地問題が拡大するのは、農業の担い手不足という面が大きいが、使わなくなった農地を貸してくれないという問題もあります。

「先代から受け継がれてきた土地を見ず知らずの人に貸したくない」というのが本音です。

一ノ蔵耕作放棄地を利用して酒造米を栽培できているのは長年地元で培ってきた信頼関係があったからこそであると思います。

 

第2に上げたいのは一ノ蔵の「地元志向」です。

徹底的に地元と向き合うことで先述の「信頼関係」も生まれたのだと思います。

6次産業にすることのメリットとして挙げられるのが、生産、加工、販売まですべてを自社で行うことによって利益が上がることです。

また中間コストの削減ができるという点もあります。

しかし、一ノ蔵は6次産業化したのにも関わらず、地元JAとの関係を維持するために収穫した酒造米をいったんJAに買い取ってもらい、またその酒造米をJAから購入するという仕組みをとっています。

普通では考えられないことですが、一ノ蔵はJAとの関係を保つためにこのような仕組みをとっています。

また、酒造米を栽培する土地をわざわざ耕作放棄地を利用しています。

先ほども述べたように耕作放棄地を借りることは簡単なことではありません。

耕作放棄地を借りるならば土地を買った方が早い。

しかし、一ノ蔵はわざわざ耕作放棄地を借用し、酒造米を生産しています。

土地も地元ではなく他の土地の方が理想の酒造米が作れる可能性があるにもかかわらず、地元の耕作放棄地を利用しているのです。

このような徹底した「地元志向」が地元の人々や行政との信頼関係づくりに大きく貢献しているのではないでしょうか。

 

[1] 株式会社一ノ蔵公式ホームページ(http://www.ichinokura.co.jp/

 

また次に続きます!

では!