ソムリエ&Sake diplomaによるワインと日本酒のブログ

ソムリエとSake diplomaの資格を持つ僕がワインと日本酒についてあれこれ書いていくブログです。

フランスのローヌ地方について解説してみた

 

さて、今回はフランスのローヌ地方について解説していきたいと思います!! 

この地域については聞いたことがある人とない人で分かれるかなと思います。

聞いたことがある人でも、聞いたことがある程度でそこまで詳しく知っている人も少ないんじゃないかなと思ったので、今回解説していきます。

 日本でも人気のあるシラーやグルナッシュを主に生産している有名な地域です。

赤ワインばかりが注目されてしまう地域ですが、おいしい白ワインも造っていたりします。

また、一言でローヌ地方といってもブルゴーニュボルドー地方と同じように様々な地域があり、それぞれで個性のあるワイン造りがされています。

それでは詳しく見ていきましょう。 

 

 ローヌ地方はどこにある?

ローヌ地方

 

ローヌ地方はフランスの中でも南部に位置しています。

北にあるブルゴーニュと南にあるプロヴァンス地方やラングドック&ルーション地方に挟まれたところ。

そして、ローヌ地方の中で大きく分けて北部と南部に分かれています。

ローマ時代に交通の要所として栄えたヴィエンヌからローヌ川沿いに南下し 14世紀に法王庁が置かれたアヴィニョン周辺までの南北約200キロにわたっています。

この地域でのワイン栽培は紀元前後から行われてきていることがわかっており、

14世紀に法王庁が置かれたことによってワイン産業が発達しはじめました。

そのころに「ヴァン・デュ・パプ(法王庁のワイン)」と呼ばれるようになり、

現在では、南部ローヌを代表するワインである「シャトー・ヌフ・デュパプ(法王の新しい城)」が生まれました。

 ローマ帝国時代に栄え、その時代の遺跡が数多く残っている北部地区では、交通の要所として栄えたヴィエンヌ、南部地区では、オランジュニームが代表的です。

特にオランジュの古代劇場は世界でも最も保存状態が良いとされ、ユネスコ世界遺産に登録されている。

また、アヴィニョン法王庁宮殿をはじめとする中心地区が、ユネスコ世界遺産に登録されています。

このようにとても歴史のある地域なのです。 

 

ローヌ地方のワイン

 
AOC認定のワイン生産量はボルドー地方に次いで2位の生産量を誇っています。

 

先述したようにローヌ地方は北部と南部に分かれており、
北部の方は、シラーを主体としたワインを造り、南部の方はグルナッシュを主体としたワイン造りをおこなっています。
白ワインだとヴィオニエやマルサンヌとルーサンヌをブレンドして造られたワインが有名です。
 
北部の方だとクローズ・エルミタージュの赤と白ワイン、どちらも手頃なお値段で楽しめるものが多いのでおすすめです。
北部のワインは南部に比べると酸味も程よく感じられて重たすぎないワインが多い印象です。
 
南部の方はジゴンダス、ヴァケラスなどが有名で、赤と白どちらもフルボディタイプのワインが多いです。
酸味は穏やかでイチジクやカシスのような果実味が凝縮したような味わいのワインが特徴的です。
 
 
 
それではローヌ地方のワインについて理解を深めるために
ローヌ地方で主に生産されている品種を簡単に見ていきましょう。
 
 
 

ローヌの主要品種

 
まずは黒ぶどうから。
  • シラー

ローヌといえばこれ!という品種ですね。

シラーについては聞いたことある方も多いと思います。

実はシラーはローヌ地方原産の品種です。

一般的にはミディアムボディからフルボディのワインが造られます。

色は濃い紫色をしており、香りについてよく言われるのは「スパイシー」とか「黒コショウ」ですね。

ほかには、ブラックベリーやカシスなどのような香りや鉄や血のような香りも感じることができます。

鉄や血のようなニュアンスがジビエなどと相性がよく、ペアリングされることが多いです。

オーストラリアの「シラーズ」も有名ですね。

これはシラーと同様の品種で、オーストラリアでは「シラーズ」と呼ばれているだけです。

オーストラリアの「シラーズ」はローヌのシラーよりも果実味が強く感じられ、プルーンやシナモンのようなスパイスのニュアンスが強く感じられます。 

 

 

  • グルナッシュ
お次はグルナッシュ。
グルナッシュが好きな方も多いのではないでしょうか。
こちらはスペインが原産の品種になります。
スペインでは「ガルナッチャ」と呼ばれています。
外観は濃い色調になり、粘性も強く出ます。
香りはイチジクのような甘めの果実の香りが強く出ます。
味わいは黒系果実の果実味が中心で酸味は少なめで、ボリューム感があり
丸い印象の味わいになります。
ブレンド用として使用されることが多い品種ですが、単一品種でもワインは造られています。
 
 
  • ムールヴェドル
こちらはあまり聞きなれない品種だと思います。
ムールヴェドル単一でワインが作られることはほとんどありません。
基本的には他の品種とブレンドして使用されます。
フランスのローヌ地方をはじめとして、ラングドックなどでも盛んに栽培されています。
他にはスペインやオーストラリアなんかでも生産されている品種です。
外観はとても濃い色調で粘性は強め。香りは動物的な香りやスパイスのような香りが特徴的です。
タンニンが強く出る品種なので単一ではあまりワインは造られません。
 
 
つぎからは白ぶどう品種について見ていきましょう。
 

外観は産地によって異なりますが、基本的には濃い目のイエローです。

香りはとてもアロマティックで、トロピカルフルーツのような香りやジャスミン金木犀のようなフローラルな香りが特徴的です。

ワインによっては樽熟成や樽発酵を行ったものもあり、フルーティーな香りの中に樽のニュアンスも感じられるワインもあります。

アルコールが高めになる品種で果実味もしっかりと感じられるため、ボリュームのあるワインができることが多いです。

酸味は少ないため、全体的に丸い印象になり、ワインを飲みなれていない女性などにおすすめの品種ですね。

 

 

 

  • マルサンヌ&ルーサンヌ

最後に解説する品種は「マルサンヌ」と「ルーサンヌ」です。

この二つの品種は基本的にはセットで使用されて一つのワインになるので、

一緒にご紹介します。

カモミールや洋ナシのような香りを持っているのが「マルサンヌ」で「ルーサンヌ」はワインの味わいに厚みを持たせる働きをしています。

 この二つの品種を使ったワインは比較的ボリュームのある味わいになります。
洋ナシやアプリコットのような果実味が感じられ、酸味が程よく感じられるワインが造られます。
 
 

ローヌのオススメワイン3選

ここまでローヌ地方について勉強してきました。
最後にローヌ地方のオススメワインをご紹介いたします!
実際にローヌのワインを飲んで、更にローヌ地方についての知識を深めましょう! 
 
 
まずはこちら!
  • カーヴ・ド・タン クローズ・エルミタージュ ルージュ 
 
 
フランスでもトップクラスといわれている協同組合が造るクローズ・エルミタージュ。
 
  • ポール・ジャブレ・エネ ヴィオニエ

 

こちらのワインはヴィオニエ100%のワインです。

お値段も手頃なので、家飲みワインにぴったりです。

受賞履歴もある実力派のワインです。

 

  • E・ギガル クローズ・エルミタージュ ブラン

 

 

 

まとめ

さあ、今回はフランスのワイン産地、ローヌ地方について解説してきました。
本当はローヌ地方の細かい地域まで解説したかったのですが、ちょっと長くなってしまうので
また別の記事で解説したいと思います。
ワイン産地の解説がいまのところ、フランスばかりになってしまっていますが、
今後は他の国や地域についても解説していく予定です。
でも、まずはやっぱりワイン大国フランスを知らずして他の国については語れないということで、フランスから解説していっています。
 
 
今回の記事で覚えてほしいことは
  • ローヌ地方はシラーやグルナッシュの一大産地
  • 白ワインもおいしいのがたくさんある
  • ボルドーに次ぐ生産量がある

この3つだけでも覚えておけばローヌ地方について理解が深まります!

 

それでは、また次の記事でお会いしましょう!