ワインを頼むときに決まり文句のように「辛口のやつ」といってくるやつ
近年、ワインはチリワインなど安くて美味しいワインが日本にたくさん入ってくるようになった。
ちょっと小洒落たバルやカフェ、イタリアンなども増えてきて、
ワインを飲む機会が増えてきている。
ソムリエの僕にとってはとてもうれしいことである。
しかし、ワインを飲む人が増えてきて変な注文の仕方をするひとも増えてきている。
今回はその一例をご紹介していきたい。
曖昧なワインの注文の仕方をする困ったやつら
お客様がワインを注文するときに「辛口で」「飲みやすいやつ」「甘いやつ」みたいな注文のしかたをする人が多すぎる。
このような注文の仕方は曖昧すぎて、店員をこまらせている。
「辛口」とはどういうことなのか。
ワインは基本的に辛くはない。今までワインを飲んで「辛い」と感じたことはない。
近い感じだとスパークリングワインのキリッとした酸味があり、炭酸の刺激があるやつぐらいだ。
この人達は本当に今までに「辛い」ワインを飲んだことがあるのだろうか
そもそもワインは葡萄から作られているから「辛い」わけがない。
「甘いやつ」
これも厄介だ。
どのぐらい「甘い」やつを想像しているかがわからない。
「甘いやつ」と言われて、デザートワイン ぐらい甘いやつなのか、フルーティーな味わいのやつがいいのかわからない。
昔、「甘い感じのワインください」といわれてデザートワインをだしたら、「これではあますぎる」と言われたことがある。
最後に
「飲みやすいやつ」だ。
これもすごく曖昧で店員を困らせる言葉だ。
「飲みやすい」のは人それぞれ違う。フルーティーな感じが飲みやすいと感じる人がいれば、飲みにくいと感じる人もいる。
酸味がある方が好きな人もいれば嫌いな人もいる。
「飲みやすい」のは人それぞれ違うから、もっと具体的に店員に伝えたほうが良い。
みんながワインに詳しいわけではないのはもちろんわかっているが、あまりにも曖昧すぎる。
ちゃんと聞き出せない店員も悪いが。
これではお互いに不幸である。
お客様はせっかく美味しい料理と美味しいワインを楽しみに来ているのに、好みのワインが飲めなくて、
お店側は美味しいワインを仕入れて提供しているのに、そのおいしさが伝わらなくなってしまう。
ワインの注文の仕方
では、どのようにオーダーすれば店員に伝わりやすいのか。
おそらく「辛口」はすっきり爽やかなタイプのワインだろう。
僕がいままで接客してきた経験では「辛口」と頼まれたら、「すっきり爽やかタイプ」のワインを出せばほぼ間違いない。
僕は毎回「辛口」と頼まれたときに聞いているのは「辛口でスッキリタイプのワインですか?それともしっかりめのタイプですか?」ということだ。
ここまで聞き出せればワイン選びは簡単になる。
「辛口でスッキリタイプ」であれば、ソーヴィニヨン・ブランを出せば間違いない。
「辛口でしっかりめ」と言われたら、樽熟成されたシャルドネを出す。
といった感じだ。
注文する側も「辛口で」のように一言で終わるのではなく、もう一つぐらい何か好みを伝えれば、
お店で好みではないワインを飲むことも少なくなるだろう。
ワインの好みがわからない人もいるだろう。そういう人は「料理に合わせてください」と注文するのが一番無難だと思う。
お店の人はこの料理にはこのワインが合うというのを一番理解しているはずだから、ハズレは少ないだろう。
ワインをお店で飲むときに提供する側も飲む側もハッピーになれるように注文のしかたをもう一度見直してみよう。