ソムリエ&Sake diplomaによるワインと日本酒のブログ

ソムリエとSake diplomaの資格を持つ僕がワインと日本酒についてあれこれ書いていくブログです。

アルザスワインについて解説してみた。

こんにちは。

今回はアルザスワインについて解説していきたいと想います。

 


フランスのアルザス地方はどこにある?

 

アルザス地方はフランスの北東部に位置し、フランスのワイン産地の中でもっとも寒い地域の一つです。
ライン川を挟んで主にドイツと国境を接しています。 

 

アルザス地方


そんな土地柄も含め歴史的、文化的にもドイツとの共通点がたくさんあります。
ドイツの影響がワインにも色濃く現れており
アルザスで栽培されている品種はドイツ系の品種が多く、ボトルの形もドイツワインと似ています。

 

アルザスワインについて

実はアルザス地方で造られるワインの9割が白ワインなんです。

めっちゃ白つくるやん。。


そして、僕にはなぜかわからないですけど、アルザスワインって聞くと「甘い」っていうイメージを持っている人がめちゃくちゃ多い気がします。

実際にお店でアルザスワインなんかをおすすめすると「甘いんじゃない?」と言われることが多々あります。
スッキリしていて美味しいワインもたくさんあるのにもったいないな〜と思ってしまいます。

アルザスでは様々な白ぶどうの品種を使用してワインが作られています。
その品種について説明していきたいと思います。

 

 

アルザスワインの主要品種 

まずはアルザスといえばリースリングですね。
この品種を外してアルザスワインは語れません。
ドイツでも代表的な品種です。
テーブルワインのような親しみやすいワインから高級ワインにまで使用される品種です。
熟した柑橘系の香りや、白いお花のような香りがリースリングの特徴です。
また、よく言われるのがペトロール香という石油やガソリンのような香りも感じられることがよくあります。
味わいはすっきり辛口なワインから、高級感のある口当たりが少しとろっとしたオイリーな凝縮感を感じられるものもあったり、リースリングから甘口ワインも作られることがあります。

 

  • ゲヴェルツトラミネール

ちょっと好き嫌いが分かれるのがこの品種。
とても香りが強く、甘みのある品種です。
ゲヴェルツトラミネールのアロマティックな香りが
好き嫌いが分かれるポイントです。
女性の方が好む傾向がある気がします。
どちらかというと男性の方が苦手な方が多いイメージ。

甘いお酒は邪道だ!みたいなことを言う人には飲ませないほうが良いワインです。

 

www.sonflower-wine.com

 

 

特徴は、ライチやトロピカルフルーツのようなちょっと甘い香り、スパイシーな香りも感じられます。
料理と合わせるのが難しいと思われがちな品種ですが、スパイスを使ったエスニック系の料理とはバチコン合います。

タイやインド系のカレーにもよく合いますね。

ぜひ、お試しあれ。

 

この品種の名前も知っている方は多いのではないでしょうか。
イタリアなんかでは「ピノ・グリージョ」とも呼ばれています。
最近では、アメリカやニュージーランドピノ・グリも評価が高くなっています。

実はこのピノ・グリ、「ピノ・ノワール」が突然変異してできた品種なんです。
ピノ・ノワールは黒ぶどうなので濃い紫色をしているんですが、ピノ・グリ は突然変異でピンクと灰色が混ざったような色になったものです。

味わいの特徴としては、白ぶどうの中ではけっこうしっかり目な味わいが特徴です。
酸味はそれほど強くなく、マンゴーやパイナップルのような味わいが特徴です。

 

  • ミュスカ

この品種の名前を聞いたことがある人は少ないんではないでしょうか。
でも、実はこの品種はみなさんにもなじみが深い品種なんです。
そう、これは日本では「マスカット」と呼ばれている品種です。
よくスーパーで見かけるあの「マスカット」なんです。
一度は食べたことがある方がほとんどだと思います。
似た名前の品種でフランスのロワールに「ミュスカデ」という品種がありますが、これは全く別の品種になりますので、混同しないようにお気をつけください。

特徴は、フレッシュなマスカットの果実感がそのままワインになったかのような味わいを感じられることです。
香りは、マスカットのような香りはもちろんのこと、メロンや草原のような香り。
ちょっとスパイシーなニュアンスも感じられるワインもあります。
マスカットを使用したワインは日本でも数多く造られています。
機会があればぜひ飲んでみてください。

 

  • シルヴァネール

この品種も聞いたことがある人は少ないかもしれません。
フランスのアルザス以外では、ドイツやオーストリアで栽培されている品種です。
ドイツやオーストリアでは「シルヴァーナー」と呼ばれています。
シルヴァネールで造られるワインはすっきり辛口になるタイプになることが多いです。
グレープフルーツのような柑橘系の香りが特徴的なワインです。

 

 

さあ、ここまでアルザス地方で栽培されている主な品種をご紹介してきました。
これらの品種を覚えておけば、ワイン選びに困ることはあまりないと思います。

最初の方に、生産されているワインの9割は白ワインと説明しましたが、残りの1割はもちろん赤ワインということになります。
赤ワインでは「ピノ・ノワール」を使った赤ワインがほとんどです。
ピノ・ノワールブルゴーニュが有名ですが、アルザス地方でも少量ながら生産されています。
ブルゴーニュとはまたちがった味わいのピノ・ノワールになっているので、ちょっと違ったピノ・ノワールを飲みたくなった時には、アルザスピノ・ノワールもぜひ試してみてください。

 

アルザスのグラン・クリュ


実はアルザスにもグラン・クリュ が存在します。
アルザスグラン・クリュは白ワインだけが認められており、品種も指定されています。
その指定品種がリースリング」「ピノ・グリ」「ミュスカ」「ゲヴェルツトラミネール」 の4品種です。
アルザスのグラン・クリュ は、アルザスワインの年間生産量のうちの約4%のみ。
かなり貴重なワインです。
ぶどうの収穫は全て手摘みであったり、収量制限や糖度なども細かく定められています。
そんなアルザスのグラン・クリュは「小区画(リュー・ディ)」で定められていて全部で51あります。
アルザスの土壌は石灰岩や砂や砂岩などたくさんの土壌で形成されており、それぞれの土壌で個性が変わってきて、様々な表情をみせてくれます。
アルザスのグラン・クリュ は、ブルゴーニュシャンパーニュ地方などのグラン・クリュのワインほどは高くなく、比較的手に入りやすい価格なので、

ぜひ、機会があれば飲んでみてください。